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マネジメント

プロコでは、ソプラノ「豊田 喜代美」のマネジメントをいたしております。
お問い合わせは下記プロコ・マネジメント担当:須藤(sudoutetu@gmail.com)まで。


豊田 喜代美

ソプラノ

豊田 喜代美 Kiyomi TOYODA

▼ リサーチマップ
https://researchmap.jp/gratiamusic1_11_4

「貴志 康一」について
貴志康一は、ヴァイオリニスト、作曲家、指揮者です。
貴志康一は28才でこの世を去るまでに、音楽家として最高の信頼を得る極みに達したと私は思います。ヒトラーの時代にドイツから帰国し、新響(現・NHK交響楽団)の指揮者としてベートーヴェン作曲『交響曲第九番』を国内で初めて暗譜で指揮し、その素晴らしい演奏は社会的にもセンセーショナルをまき起こしました。貴志康一は18才でスイスにヴァイオリンで留学、その後ドイツで作曲家ヒンデミット、指揮者フルトヴェングラーの薫陶を受け、クラシック音楽の作曲と指揮を学び、自ら作曲し、それら自作品をベルリンフィル他のオーケストラを自ら指揮して演奏しています。ドイツではオーケストラとの日本歌曲演奏が大きな反響と好評を得たことが当時の新聞記事で確認できます。作曲した作品は全て『貴志康一記念室 貴志康一記念室紹介ページ』に収められています。

私の貴志康一との最初の出会いは、1987年東京都交響楽団定期演奏会「日本の作曲家シリーズ」第一回に貴志康一が取り上げられた際にオーケストラ歌曲を4曲演奏した時です。貴志康一は自作の詩に作曲しており、その真っ直ぐでナイーヴな若い情感が見事に歌になっており、楽譜を初見で歌った日は感動して興奮してよく眠る事ができませんでした。これは私にとって初めてのことでした。日本人の情感を愛し信頼している貴志康一の気持ちが矢となって私の魂に突き刺さりました。その矢は今も突き刺さったままです。

貴志康一はドイツで自費出版した楽譜に『日本人の感情を西洋の人の心に寄せる』と記しています。私が歌い続ける中、欧米での演奏会で貴志康一の歌曲は熱狂的に喜ばれ、アンコールに再度「かもめ」を歌ったこともありました。何とか日本人の情感を西洋の人々に感じてもらいたい、という作曲者の気持ちが曲を通して、欧米の聴取者に真っ直ぐに伝わっている実感がありました。20才代前半の若者が全身全霊で、本人の知る日本人の情感を音楽に託して当時のドイツの人々と良い交流をしたことに驚くと共に、その活動のエネルギー源である愛の力・若い力を尊く思います。

貴志康一は、日本人の情感を説明するとか理解してもらうとか、こちら側の要求は一切無く、ただ、近くに『寄せる』と記しました。ここに貴志康一の想う日本人の情感の本質が現れていると私は感じています。

豊田 喜代美

豊田喜代美 最新演奏情報

● 〈バロックオペラ Mulier fortis(勇敢な婦人・細川ガラシャ) 演奏会形式〉  ウィーン初演
ウィーン初演 1698年 ヨハン・ベルンハルト・シュタウト作曲 / 2020年版校訂楽譜使用
2023年11月17日(土)19:00開演 18:30開場
旧東京音楽学校奏楽堂 
詳しいご案内はこちら(PDF)

● 〈バロックオペラ Mulier fortis(勇敢な婦人・細川ガラシャ) 演奏会形式〉 ⇒コロナ禍で中止、演奏会は延期
ウィーン初演 1698年 ヨハン・ベルンハルト・シュタウト作曲 / 2020 年版校訂楽譜使用
2021年3月6日(土)18:00開演 17:30開場
東京文化会館小ホール 終演時間18:45予定
詳しいご案内はこちら(PDF)

● CD製作
2023年6月
〈収録曲〉
木下牧子作曲『暁の星』夏目漱石〈夢十夜〉より 改訂版初演
貴志康一作曲『赤いかんざし』『かもめ』『かごかき』『天の原』『行脚僧』
〈ピアニスト〉
渡辺健二 ・仲村渠悠子


プロフィール

豊田 喜代美 Kiyomi TOYODA ソプラノ

東京生。5才でピアノを始める。桐朋学園女子高等学校普通科卒業。18才で声楽を始める。
桐朋学園大学音楽学部声楽専攻卒業。萩谷納、柴田睦陸、柴田喜代子に師事。中山悌一の薫陶を受ける。

オペラ初舞台は二期会オペラ研究生時の二期会公演モーツァルト作曲《フィガロの結婚》の花娘、ワーグナー作曲《タンホイザー》のお小姓など。オペラ初主演は1978年東京オペラプロデュース公演ドビュッシー作曲《ペレアスとメリザント》メリザンド(若杉弘指揮、東フィル)。1978年3月にドイツのケルン音楽大学に留学しエレン・ボゼニウス教授に師事。同時にラインドイツオペラ(デュッセルドルフ)のヴォイス・コーチであるジャンニーナ・スターノ氏に師事。

ドイツ留学時(1978.3-1979.6)に二期会公演《フィガロの結婚》ケルビーノ及び東京オペラプロデュース公演《セヴィラの理髪師》ロジーナのオファーを受け帰国した。帰国後も引続き、デュッセルドルフのスターノ(Stano)、エーガーマン(Egermannコレペティトア)、フィールテル(Viertelコレペティトア)、ミラノのフェッラーリス(Ferraris指揮者)、ローマのローチ(Roachコレペティトア)他、ウィーンのフックスベルガー(Fuchsbergerコレペティトア)、バイヤーズ(Byersヴォイス・コーチ)、バッディ(Baddiヴォイス・コーチ)のもとで研鑽を続けている。

オペラは、二期会、東京オペラプロデュース、日生オペラの各公演、オーケストラ定期演奏会などで、《ファルスタッフ》ナンネッタ(小澤征爾指揮)、《コシ・ファン・トゥッテ》デスピーナ、フィオルディリージ(秋山和慶指揮 / 飯守泰次郎指揮)、《こうもり》ロザリンデ(尾高忠明指揮)、《夕鶴》つう(團伊久磨指揮)、《オルフェオとエウリディーチェ》エウリディーチェ、《魔弾の射手》アガーテ(大友直人指揮)、《ヴォツェック》マリー(小澤征爾指揮)、《ホフマン物語》ステラ・オリンピア・アントニア・ジュリエッタ(小澤征爾指揮、新日フィル)他に出演し、これまでに20作品以上の主役を歌っている。日本創作オペラ初演は、間宮芳生作曲《夜長姫と耳男》夜長姫(水戸芸術館杮落し公演、水戸室内管弦楽団)、一柳慧作曲・大岡信詩《モノオペラ火の遺言》(国内5ホールにて)、池辺晋一郎作曲《呼び交わす山河》預源院(石川県立音楽堂杮落し公演、岩城宏之指揮、オーケストラアンサンブル金沢)他。

コンサートの分野では、小澤征爾、朝比奈隆、若杉弘、尾高忠明、大野和士、高関健、ホルストシュタイン他の指揮者のもと、国内外のオーケストラ定期演奏会他で演奏。マーラー交響曲第八番ではルチア・ポップ、ベルンハルト・ヴァイクル他と共演(サントリーホール)。北オランダ交響楽団定期演奏会ではモーツァルト作曲《モテット》3回全ての演奏会において全聴衆のスタンディングオーベーションを得る成果を得た。ブーレーズ作曲《プリスロンプリ》(若杉弘、都響)他のオーケストラ作品日本初演ソリストとして成功の一端を担っているのは特筆に価する。日本を代表するソプラノの1人。

毎日ゾリステン主催のリサイタルを初回とし、海外では在米日本大使館(ワシントンD.C.)主催、在独日本大使館(ボン)主催によるリサイタル他、米国ニューヨークのカーネギー小ホールではJ.S.バッハ及びモーツァルト作品を演奏。国内のリサイタルでは「モーツァルトのオペラアリア」(サントリーホール大、東フィル)、「マーラーとR.シュトラウスのオーケストラ歌曲」(サントリーホール大、新日本フィル)、「バロック音楽作品(サントリーホールブルーローズ)他を開催している。2018年11月18日には「木下牧子の世界~秋の瞳」(サントリーホールブルーローズ)を開催し新作品の世界初演を行なう。

NHK.FM「べスト・オブ・クラシック」、NHK.TV 「ニューイヤーオペラコンサート」他、「題名のない音楽会」他に出演。CDは「無伴奏による日本の唱歌」「木下牧子浪漫歌曲集」「貴志康一7つの歌曲」他、各オーケストラ定期演奏会ライブ録音ベートヴェン作曲〈第九交響曲〉など。2008年度レコードアカデミー賞特別部門賞を朝比奈隆指揮(新日本フィル)のワーグナー作曲《ニーベルングの指環》全曲が受賞し、その中の《ジークフリート》ブリュンヒルデ役を歌っている。2017年制作のNHK交響楽団記念CDシリーズには定期演奏会での若杉弘指揮ヘンデル作曲《メサイア》モーツァルト版の演奏(ソプラノソロ)が収められている。

国立法人北陸先端科学技術大学院大学知識科学研究科(1998年~2007年在学)を修了し、博士号(知識科学)を2008年に取得。博士論文は「クラシック音楽歌唱における知識創造モデル-スキルサイエンスからの接近」、修士論文は「音楽感受における音楽知の役割に関する一考察-J.S.バッハ《マタイ受難曲》における音楽知の機能」。科学的見地を取り入れた歌唱技術向上研究を行なっている。また、1698年ウィーン初演B.Staudt作曲「Mulier fortis(勇敢な夫人・細川ガラシャ)」の原譜からの楽譜作成及び演奏について研究を継続している。2013年~2016年、この作品の日本初演・世界蘇演の企画演奏を行なった(東京紀尾井ホール・京都長岡京市ホール・沖縄県立芸術大学奏楽堂)。

第11回ジローオペラ賞、第16回サントリー音楽賞、各賞受賞。
沖縄県立芸術大学・大学院教授(2010-2017)。東京大学非常勤講師(2018-2021)

ウィーン・ハプスブルク宮廷芸術友好協会、日本演奏連盟、日本グレゴリオ聖歌学会、日本声楽発声学会、各会員。
東京二期会会員。日本歌唱芸術協会(本部:沖縄)代表理事 https://www.jsaa-okinawa.org/
(2022年12月現在)